(色々な意味で)世界で一番淡いキスシーンがある。
3時間まるまる7~8人の隠れ家生活なのだが、ピリッとした空気感→外部の人が来て明るくなるとか、やや能天気な展開も多かったけど、8人の人間模様やアンネの青春など普遍的な要素が多かった。戦時中の隠れ家という社会的影響が色濃い状況でも人間は人間なんだし成長するんだというのが伝わってくる。そして隠れ家以外はご想像にお任せというのが、この1959年という、まだ第二次大戦の映画が少なくリアルな記憶には新しいという時代にはかえって効果的なのかもしれない。今となっては第二次大戦を描いた映画がたくさんあるので、そちらで補完できるが、とにかくすべてを描かず観客に"補完させる"という演出は素晴らしいなと思った。