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アンネの日記のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

アンネの日記(1959年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに尊い命を奪われたユダヤ人少女アンネ・フランクが残した日記、文学史に残る世界的ベストセラーを映画化。
製作・監督は「シェーン」など叙情的作品が多いジョージ・スティーヴンス。
原題:The Diary of Anne Frank(1959)
171分(途中インターミッションが入る)

ユダヤ系ドイツ人のフランク一家は、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を逃れ、知り合いのファン・ダーン一家とともにオランダのアムステルダムへ亡命。建物の屋根裏部屋に潜伏する生活を余儀なくされる。
フランク家の次女アンネは、父からもらった日記を書きはじめ、やがてファン・ダーン家の息子ピーターと仲良くなる…。

~隠れ家生活の8人~
(アンネと家族)
・アンネ・フランク(ミリー・パーキンス)
・父オットー(ジョセフ・シルドクラウト)
・母エディス(グスティ・ユーベル)
・姉マルゴット(ダイアン・ベイカー)
(ファン・ダーンの家族)
・ファン・ダーン氏(ルー・ジャコビ)
・夫人(シェリー・ウィンタース
・息子ペーター(リチャード・ベイマー
(後から加わった歯科医)
・アルベルト・デュッセル(エド・ウィン

~支援者~
・クラーレル(ダグラス・スペンサー)
・ミープ(ドディ・ヒース)

~アンネ・フランク著『アンネの日記』(増補改訂版)の紹介~
母親への辛辣な批判や性的な描写など、生き残った父オットーが削除した部分や1998年新たに発見された日記を加えたいわゆる完全版。ナチス占領下、小説家を夢みて、決して絶望しなかった強い心を持ったアンネは、2年以上にわたる「隠れ家」(潜伏)生活から半年後、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で、姉と前後して15歳で亡くなる。
「たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだと…」

原作を万人に読んでほしい。

アンネ役のミリー・パーキンスは、写真も残るアンネの実像と少しイメージが違うような気がする(それでも頑張って演技している)のと、映画の後半、アンネとペーターとの淡い恋に時間を割きすぎている感じが否めない。
それでも、戦争を体験したジョージ・スティーヴンス監督が、3時間近い作品に込めた、ホロコーストや戦争のない平和な世界を願う、その思いを映画とアンネの小説から汲み取ってほしい。
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