エイデン

死国のエイデンのレビュー・感想・評価

死国(1999年製作の映画)
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高知県北西部、矢狗村
ある夫婦の依頼で霊能者の照子は娘 莎代里の身体に亡くなった子どもの霊を降ろす儀式を行っていた
偶然にもそれを目撃してしまった莎代里の幼馴染 比奈子は、彼女から絶対にこのことを他人に言うなと口止めされる
それからも川で溺れた比奈子を莎代里が助けたこともあり、2人の絆は深まっていく
それからしばらくして、比奈子は両親の仕事の都合で東京へ引っ越すこととなり、莎代里やもう1人の幼馴染 文也に別れを告げる
その去り際、比奈子は莎代里に自分の同じ鈴のついたお守りを渡すのだった
そして現在
デザイナーとして働く比奈子は、両親に頼まれ、売りに出すかを検討している旧家の様子を見るため、久しぶりに矢狗村へとやって来る
親戚の千鶴子や祥太に迎えられ、早速 旧家の中を見回っていた比奈子は、懐かしさから莎代里や文也のことを思い出す
比奈子は特に仲の良かった莎代里の家へと向かってみたものの、家からは誰の返事も無い
顔は見えなかったものの窓から誰かがこちらを見ていたようだったが、そのまま無視されてしまい不審に思う
その後 村で行われる祭りの会場に向かっていた比奈子は、その途中で同級生だった ゆかりに再会する
ゆかりに比奈子のことを尋ねてみると、何と莎代里は高校生の頃 川で溺れて死んでしまったのだと聞く
ショックを受けながらも祭りの会場に到着した比奈子は、役場の職員になっていた文也と出会う
文也によれば莎代里の母 照子も衝撃を受け、信仰心からかこの時期はお遍路に出かけており、父の康鷹も登山中の事故で長らく入院生活をしていると知り、彼女の家で見た女性は誰なのか比奈子は首を傾げるのだった
そんな中 並んだ地蔵の首が落とされ、入れば祟りがあるという谷の禁足地の門が破られるという事件が起こる
文也はその対処をするも、上司の酒井にはあまり関わらない方が良いと釘を刺され、谷の中に入るのは莎代里ら日浦の一族だけだと耳にするのだった
また文也は比奈子に、高校時代の莎代里の姿が写った写真を見せ、当時 自分と彼女が付き合っていたことを明かす
その夜 比奈子は写真で見た成長した姿の莎代里が寝ている自分に迫ってくるという夢を見る
ただの夢かとも考えたが、ちょうど莎代里がいた辺りに、あの鈴のお守りが落ちているのを発見し文也に報告する
すると文也は莎代里が川で溺れたのが原因で死んだのではなく、日浦家が行っていた儀式で悪い霊に取り憑かれ死んだという噂があると語るのだった



坂東眞砂子原作のホラー小説の映画化

四国お馴染みの四国八十八ヶ所のお遍路を題材にしたホラー作品
お遍路に秘められた秘密により発生する怪異を描く

四国を死国とし、石鎚山に代表される修験道など民俗学的アプローチによって超解釈したオカルト・ホラーな風味
ぶっちゃけ四国民に喧嘩を売るトンチンカンな内容を、ジャパニーズホラーな湿度高めな雰囲気と、湿度高めな恋愛模様を交えて蒸しあげた作品になってる

ホラー要素はかなり地味ながら、怪異役で出てるまだゴーゴー夕張してない頃の栗山千明は割と好き
黒髪の似合う和美人ながら、湿度高めな不気味さを醸し出してる
ワイルドにベアーハグで殺人するのはちょっと笑ったけど

やや恐怖演出で損してる気もするけど、背筋がざわつくような雰囲気でジャパニーズホラーらしい陰鬱な映像が楽しめる作品
恋愛要素にもあえて力を入れてるタイプの作品なので、ホラーというよりは怪奇ロマン的なノリで観ましょう
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