memo

サーティーン あの頃欲しかった愛のことのmemoのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

さすがにあそこまでの非行はないけど、自分にも少なからず心当たりがあってズーンとした気持ちになっちゃった。思春期少女の「痛み」を伴う葛藤と反抗、その母親の苦悩。憧れの女の子との一時的な交流。

13歳という、周りからの影響を受けやすい多感な時期の揺れ動く、落ち着かない感情を捉えるドキュメンタリーっぽいカメラワークがよかった。
ベッドの上で友達とハイテンションで殴りあうオープニングから始まり、新しいコミュニティ、場所、遊び、非行が音楽と共にテンポよく描かれてエスカレートしていくのは見ていて楽しい。そこからどんどん彩度が落ちていく展開がホラーみたいにすごく怖かった。

おとなしく言うことなんか聞けるかと、とことん抗ってしまう(内容は関係なくほとんど反射的に反抗してしまう)のも、欲しかったはずの母からの愛情を突っぱねてしまうのも、ふと目が覚めて我に返ったときにやっと周りの景色を冷静に見られるようになるのも、わかるから見ていてしんどかった。

あの男に対する嫌悪感とその意思表示は、序盤ではっきりとあるんですよね。しかもあの様子だと以前から何度も、言葉や態度で嫌だと示していたんじゃないかな。もちろん母親の人生は母親のもので、娘の意見を受け入れてあの男と別れるべきだということではなく。娘の抱える孤独や不安、あの男への拒否反応の理由(フラッシュバックした男の光景は娘にとってトラウマでもあったんだろうし)、それをどうにか何かしらの形で受け止めてあげられていたら、解消できていたら、何か違ったのかな……子どもいないけど子育てする自信なくなっちゃった。母と娘の物語、思春期の物語としてよかったし、自戒を込めてあの頃の自分を振り返るという意味でも観てよかった。
memo

memo