ユウサク

サーティーン あの頃欲しかった愛のことのユウサクのレビュー・感想・評価

3.6
なんか作品名聞いたことある気がするなと思ったら『さよなら、私のロンリー』でエヴァン・レイチェル・ウッドが今は低い声を選択している件で昔はどういう声だったんだろうと検索して出てきたのがこの作品のインタビューなんだった。

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13歳の女の子2人がお互いに「もっと殴って!」と罵り合うシーンで始まるこの映画はとにかく「痛い」映画だった。ピアスもリストカットもとにかく痛そうでここに気合い入ってる感じ。イーヴィの火傷跡を見るシーンも今まで認識してなかった「痛み」を知る、というシーンだったと思う。トレイシーのモデルがイーヴィを演じたニッキー・リードなのか……。14歳にあそこまでの演技を(しかも直近の実体験を再現させるような形で)させていいのかは少し疑問。
始まりは「イケてるグループに混ざりたい」という些細な願いだったのがどんどんボタンを掛け違えてかなり取り返しのつかないところまで来てしまう。「13歳でしょ!?」っていうことを満遍なくやっていくのでかなり危なっかしく、もうやめてくれ〜ってなる。セリーヌ・シアマの『ガールフッド』に近いかも。別に全ての子どもが親を敬う必要はないと思うけど親が子を守るためにある程度の助言が必要なのも事実だし、そこは引き裂かれる思い。
撮影はブレにブレまくる手持ち上等スタイルで正直好みではなかったけど物語のドキュメンタリー性を担保するための方策としては理解できる。色調の変化もかなり攻めてて終盤事態が悪化するにつれてどんどんどんどん画面が青くなっていき、ある程度の収束と共に明るい色調へと戻っていくのはわかりやすい。ただ映像の方もどんどん動きや演技がアグレッシブになっていくので両方やるとやり過ぎになる気はしたけど興味深くはあった。
ユウサク

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