よ

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのよのレビュー・感想・評価

4.3
たぶん粗はいっぱいあるんだけど、でも、やっぱり魂が籠ってる映画って良いよなあ。
けっきょく映画の質を決めるのはそこだって気がするし、逆に言えば、そこを基準に評価する鑑賞者で在りたい。

この映画のとりわけ良いところは、現実と地続きだという点だ。有名な話だが、マット・デイモンはハーバード(中退)の天才だとか、彼とベン・アフレックが親友だとか、そういったところ。
生身の、本物の、生きた心の動きというのが現実に在って、それを表現しようとしたら後から脚本が付いてきたんです。そんなふうにも見える。これからハリウッドで羽ばたこうとする若者たちにぴったりの態度だ。真摯で、情熱的で、すこしばかり不遜さが滲むような。

彼らはこの映画を出世作にするつもりで脚本を書いた。そして現にそれをものにして、いまハリウッドスターをやっている。
この脚本は誰かを救うことができるが、同時に、この事実もたくさんの人を救っているはずだ。
役を貰えないなら自分で作ってしまおうという、その決断。のち五年にもわたって続けられた、脚本の売り込みとリライト。完成品の完成度。
勇気が出る。ほんとうに欲しがれば自力で掴めるんだって思わせてくれる。

私たちは『グッド・ウィル・ハンティング』を観て、自分に自信を持つこと、その揺らがない自分でもって人生を進展させる選択をしていくこと、を学ぶ。
そしてまた、そのメッセージを有言実行したマット・デイモンとベン・アフレックを見て、それは綺麗事ではなく実行可能なハウツーなのだと気付く。
彼らを信じて、進んでゆく。
よ