ぼとる

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのぼとるのレビュー・感想・評価

4.2
天才的な数学知能を持つ清掃員のウィルは、幼い頃に負った心の傷のせいで非行に走り続けていた。刑務所に収監されない条件として、数学教授の手伝いをすることと、心理学者のセラピーを受けることを科される。そこで、同じく過去に心の傷を負った心理学者ショーンと出会う。

マット・デイモン×ロビン・ウィリアムズ。

過去のトラウマから切り離せない青年の苦悩と立ち直りまでにかかる時間の長さ、難しさを丁寧に描いた作品でした。

一見、友達とバカやって楽しそうに振る舞っていても、心の奥底では感情を閉じこめたままというのが伝わる、マット・デイモンの演技。感情移入しすぎて、心がキュッとなってしまう。

「友情」「恋愛」が過去のトラウマでブレーキがかさってしまう辛さ。特に、スカイラーとお互いのこれからについて話し合う中で激しい喧嘩をしてしまう時のウィル。心が不安定でガタガタになっているけれど、それでも恋人に本心を打ち明けられない苦しさが見ていてきつかったです。

ショーンの暖かさがウィルの奥にある心を掬い取るような掛け合い。踏みこまずに「君のせいじゃない」と声をかけ続けて、感情が爆発するシーンと親友のチャックの「宝くじの一等を握ってる」「俺と同じ仕事を20年後も続けてみやがれ、許さねえぞ」が感動的。ショーンにとって、かけがえのない二人の本音の対話シーンが泣けます。

ラストの清々しさがたまらんです。
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