MITの秀才たちの解けない難問を普段はスラムで過ごす若き清掃員が解いてしまうという導入がもう面白いのだが、ここからトントン拍子に上手くいくわけではなく、主人公であるウィルは本当にギリギリのギリギリまで人に心を許せないし開けない。
慕ってくれる人や手を差し伸べてくれる人のことを自分から突き放すことで自己防衛をしており、結構本当にずっと生意気。
彼の持つ背景自体はあまり特筆するものはなく、悲しいことにありふれた悲劇と言えるもので、それでここまで拗らすか……？ と思うが拗らせるのだろう。彼ほど頭が良ければ尚更。
だからこそ終盤にショーンに心を許す瞬間と、本当に自分のやりたいことを見つけた瞬間が輝くのだろう。
面白かった。
