寝るのだいじ

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

孤児院虐待経験が有り、生い立ちへの引目と人へ心を開くことを怯えている秀才が、大学教授と昔の仲間と関わる話。

他者の誰もが認める賢さを、頭でっかちで理論武装で持て余し、自分でも認められない。自己肯定感が無いことの恐ろしさ。
ウィルが理論武装や論破できるのは、元の博識さもあるが、相手が安全な人かどうか判断するために事細かに観察し分析しているから。人に心を開きづらい心理が、痛い程共感できて苦しかった。

「物心付いた頃に愛情を注がれなかった」「人を遠ざけるのは、人に離れられたくないから」
幼少期の傷が一生尾を引くことをわかりやすく描いてくれている。

どんな優秀な人も、その優秀さを認める外的要因、自分で認められる内的要因の2つが無いと、優秀さを発揮できない。
画家が死後にしか評価されないことは、内的要因が不要だからということもあるのかもしれない。

能力を認め、人として尊敬し、誕生日を祝おうとする、素直で優しい友人に囲まれていて、心温まる。そんな友人に自信を持って活躍しろと言われたら世界に出るしかない。