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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのMのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

やっぱり90年代の名作は良い🙆

才能はあり過ぎる程なのに恵まれないウィルを取り立てる数学教授ランボーと精神分析家のショーン。

「信頼」という言葉から始めて映し出されたショーンが、ウィルの信頼を勝ち取ってく様は秀逸。同じようなスラム出身でありながら、ウィルの具体的な過去に触れるのは最後の最後。(しかもウィルから話を切り出させた)故にウィルは自身と向き合える。自発性を引き出すやり取りを重視したショーンもまた、ウィルとのやり取りで愛する妻を失った後の停滞から抜け出せる。

ランボーはいささか強引だが、彼もまた彼なりの正義でウィルを想ってるので中々憎めない。ショーンとの最後のやり取りは、ある種に理想的友情。

大人陣の友情と一緒にウィルとチャッキー(&その他)の絆も垣間見える。大人たちよりも素直で、そして大人よりも気を使う彼ら。チャッキーがウィルの目を覚させるシーンは彼の器の広さが伺える。家に迎えに行ったのにウィルをもう送ることはできないと知った時のあのチャッキーの複雑で晴れやかで寂しげな表情こそ、神話的な男なのかもしれない。

最後、ウィルは彼女のスカイラーを選ぶ。恋愛を選んだというよりも愛から逃げず、そして新天地で生まれ変わるための必要な選択だったのだろう。ウィルは企業に使い潰される人間では無い。いつかスカイラーとの関係も終わるかもしれない。ともかくウィルはもう逃げ出さないと思うと親心的に泣ける。ショーンにとってはもうカリフォルニアに行った時点で理解してたのだろう。

全体を通してみんな優しい。ウィルを追い詰めた過去は具体的に描かれず、立ち直れる希望的な未来とウィルを支えてくれる人たちしか出てこない。いささかリアリティが無いのかもしれないが、こういう明るい世界へ偽りなく描けるこの時代の映画はやはり好きだと思えて良かった。

今までぼーっと見ていた車窓の景色、ウィルにとっては意味ある、前への景色になった時どれほど彼がワクワクしたのかと思うと... !

個人的にいうのであれば、スカイラーがあまりにもよく居る女の子だったのでもうちょっとキャラ立てしてもいいかな〜と思いました。そのぐらい。
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