Chris

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのChrisのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

観終わった後漠然とよかったという感想があるだけで、何が自分の心を動かしたのかすぐにはわからなかった。この作品のテーマや内容がそれほど深いからだと思う。
個人的にこの映画のテーマは”人間”だと思った。ウィルは天才的な頭脳を持っているが、過去にトラウマがあり経験が少ないことから精神的に幼かった。彼は知識という武器で自分を守り誰に対しても特に自分に対して心を閉ざしていた。ショーンが彼の良き理解者、友達になれたのはウィル自身も顔を背けていた内なる部分を暴き、向き合ったからだと思う。
ショーンとウィルが互いに笑い合うシーンはすごく印象に残った。完璧な人間である必要はなく、互いにとって完璧であればいいという考えに心を動かされた。人間として生きる上で大事なのは賢さではなく、性格や人柄なのだとショーンが生きてきた中で見つけた一種の答えなのだと受け取った。
しかし他のランボー教授や友達のチャッキーなど別の価値観を持って生きている人がいる。様々な人間がいて様々な生き方があり、人にそれを強要せず自分が正しいと思う道を見つけることが最も大切なのだと心から思った。
またこの映画をより素晴らしくしているのは終盤の流れだと思う。チャッキーたちとの別れは先刻していた通り何も伝えず街を去った。これを知り寂しさも混じりながら満足したようにチャッキーたちが去る様は良い友人関係を表していてとてもよかった。そして最後ウィルがショーンの言葉を真似て彼女の元に向かうシーンはユーモアがあってそのままエンドロールが流れていくのがオシャレでカッコよかった。何よりウィルが彼女に会って終わるのではなく、精神的に成長して未来に希望を持つというラストが粋で個人的にすごく好きだった。
この映画は感動できて、前向きになれる素晴らしい作品だ。これほどの脚本の原案を学生だったマッド•デイモンと、ベン・アフレックが手掛けたというのが驚きだ。何が人生で大切なのか価値観や考え方についての教訓があった。人生で一度は観た方がいいと思える作品だった。
Chris

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