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ジェニイの家のpikaのレビュー・感想・評価

ジェニイの家(1936年製作の映画)
3.5
「詩的リアリズム」の概念はよくわからないけど、カルネの作風がそれに当てはまるのであれば凄く好きかも!もっと見たい。
直接的なリアリズムは精神的にキツいと言うか、陰鬱とした曇り空みたいな気分になってしまうが、リアリズムを詩的な台詞と映画的な誇張表現でドラマを構築するのであれば、ダイレクトに悲劇を味わうよりも観客が「悲劇のヒロイン的な醍醐味」に酔いしれる楽しみ方になるのだろうか。

映画の中の夢の世界ではなく、身近にいそうなキャラクターが画面の中で生き生きと不快にもなり愉快にもなりと、自分にも起こりそうな過去に起きたような近所の話題になりそうな普遍的な日常の中に起きうるドラマを展開する。
人生山あり谷あり悲しみも喜びも表裏一体で、誰かが笑えば誰かが悲しむ、お金と愛は繋がらない、そんな誰もがわかっていることを映画を通して少しでも煌めくものとして味わうのもいいじゃないか、人生は幸も不幸も美しく輝くものだと。
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