垂直落下式サミング

ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリーの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
今明かされる、スピニング・バードの秘密…。
ペンダント・トップには鳥の飾り。その真ん中に軸が通っていて、羽ばたく鳥の装飾が回転する仕掛けになっている。春麗の父はそれを弾いて回転させ、危険を察知した鳥はクルクルと回って身を守るのだと語る。
それはチュンリーの「スピニングバードキック」に繋げるための伏線なんだけれど、そんな習性の鳥いるのかしら?
なんか小物で掘り下げる割には、チュンリーが逆立ち開脚回転連続蹴りを戦いのなかで思い付いたり、修行によって習得したりするようなシーンは見当たらなくて拍子抜け。いざという時の必殺技として使うのかと思ったら、クラブの格闘シーンであっさりと使っちゃうし。
ゲンとの修行で体得する気功の力も微妙。気功拳やるなら、棒立ちじゃなくて、プリケツで出さなきゃでしょうが!まったく!てんで解ってないよ。
その他、原作キャラもそこそこ登場。前述したゲンは老師キャラだけどちょい若めの設定。映画では、タイに渡った春麗は彼に師事することになるが、公式設定ではふたりに直接的な面識はない。
シャドルー四天王は、サガットだけ未登場。バイソン解釈違い。バルログ弱すぎ。国際投資会社ってことらしく、世界征服を目論んでいるはずのベガ様は現実的なセコい悪党に。ええ…。
地上げ屋として二流ですわベガ様。わざと治安を悪くすることで地価を下落させ、安く買い叩いたあと富裕層のための家を建築し、それを高く売って稼ぐぜって計画が説明されるのだが、まどろっこしくていけない。何年がかりの計画なんやろか。コスパ・タイパ釣り合ってなくない?一度、治安の悪くなった場所に住みたいと思うような富裕層は、そんなに多くないと思うよ。
原作のキャラクター性を活かしてほしかったな。春麗っぽさを出すために、キャミソールやドレスは青系のものを着用しているんだけれど最後まであのチャイナ服は着ない。ガッカリ。あの衣装デザインが大勝利だから、彼女は世界中で世代を越えて認知されているわけですから。多少映画の世界観とズレようが、コスプレは必要ですよ。
やっぱ、春麗の人気を信じて、服装からアクションまでこだわって再現してほしかった。ファン向けならぜったいそのほうがいいでしょ。藍色チャイナに袖を通したアイドルは、水野美紀からえなこまでっ!世代を越えて大人気なんだから、出し得技はガンガン使ってこう!
実際のゲームでは、春麗は器用で真面目な堅実キャラってイメージ。春麗使ってふざけてる人みたことない。僕なんかは、いかに楽して勝つかってことばっか考えてるから、ケンやルークみたいな総合的な強さが上位のキャラとか、本田やバイソンみたいな強技ぶっぱ系しか使わないので、小ズルいことできない職人コンボキャラで勝ててる人って尊敬しちゃう。
そんな彼女も、初登場から30余年。後輩のジュリにオバサンキッツwときゃぴきゃぴな勝利モーションを煽られてしまう春麗大姐が大好きです。