みおこし

ハーローのみおこしのレビュー・感想・評価

ハーロー(1965年製作の映画)
2.2
激レア映画とのことで、かなり期待してたんですが、公開当時は批評的にも興行収入的にも惨憺たる結果だったとのこと...。
観たら何となく理由がわかりました(笑)。

伝説のセックス・シンボル、ジーン・ハーローの伝記...と一言で綴りたいところですが、脚色に次ぐ脚色の連続でとても伝記とは言えない作品でした。ハーローをモデルにした誰か別の女優さんの伝記ですか、と見紛うレベル(笑)。
ハーローを演じるのは、元祖セクシー女優のキャロル・ベイカー。すごく美人なのに残念ながら演技がオーバーすぎて、若干ドン引きしながら観てしまいました...。
脇を固める俳優陣は、レット・バトンズ、マーティン・バルサム、アンジェラ・ランズベリー、ピーター・ローフォード、レスリー・ニールセンと超一級の役者さんばかりなのに、事実と異なるエピソードのせいで萎える萎える...。

まずそもそもハーロー以外の人物が全員架空の人物。MGMっていう会社名まで謎の違う会社になってます...。
唯一実在したハーローの夫バーンについても、役名と最期だけ一緒というだけで何とも...(笑)。
どんな理由でこういう現実と乖離した設定を貫いたのか分かりませんが、ハーローの破滅は全て周りに流されたせいみたいな描き方とか、純潔を必死に守ろうとしていたという描き方が違和感しか生まなくて、びっくりするくらい感情移入できませんでした。大人の事情があったのかな...?

そして、色んなレビューサイトを観て知ったのですが、1930年代を舞台にしているはずなのに確かにファッションやセット、音楽全てがその時代には無かったものばかりでまたまたモヤモヤ。
タランティーノがウエスタンでロックを使うのとは話が別で(笑)設定が分からくなるという混乱を招いちゃう演出...。

ヘイズコードがまだ敷かれてた時代にしては、直接的なセリフやシーンが多くてビックリ。ハリウッドのドス黒い闇を見られる貴重な映画でもあります。
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