パリに留学していたとき、海外の友人に『Ratatouille』がさ〜と言われてなんの話？となり、原題が大きく違うと知ったことを思い出して観ました。
わたしは幸運にもネズミが近くにいない生活を送ってきたのでネズミのおぞましさを真に理解しているかというとそうではないが、でも観ているとちゃんとおぞましいと感じるくらいにはネズミの気持ち悪さをちゃんと描いていて偉いと思います。ネズミ、パリに暮らしていた頃はよく見かけたものだが、その際の友人たちの狂乱を思い返すとよく題材に選んだなと思う。Gを主人公に据えるくらいにradicalじゃないか？そのradicalityをみんな大好きなパリエッセンスで薄めようとしているのが笑えるし、結局パリエッセンスでも薄められていないので笑える🐀
そんなこんなでいろいろ無理はあるがそれでもめっっっちゃくちゃ面白くてあっというま。物語も視覚的にも面白いのでさすがピクサー。
ラスボス然としているエゴは確かな信念とともに自分の道を進む人間であり、レミーくんと同類なんだよね。だからこそふたりは深く通じ合う。LinguiniくんやColetteさんなど人間界の状況が霞むくらいに、彼がラタトゥイユを口に運んでからの一連、猛烈に感動しました。芸術家同士の魂の応酬。
