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スイートリトルライズのstanleyのレビュー・感想・評価

スイートリトルライズ(2010年製作の映画)
3.3
夫婦のあり方、根源的な意味を表している内容の作品 

センスのいい部屋に暮らし 
朝起きるとキャンドルの灯を消し 
サイフォンでコーヒーを沸かし、時計のネジを巻く 
煙草に火をつけ一服した後 
寝室の窓を拭きながら夫をそっと起こす 

美味しいご飯を作り、玄関まで夫の見送りと出迎えと 
なんとも理想ともいえるほどの美しい奥様 

けれどあまりにも完璧すぎる妻に 
夫はどこか恐怖すら感じ 
逃げ込むかのように部屋の鍵をかける 
まるで心に鍵をかけてしまうかのように 

そんなすれ違いからか妻の口からは 
「この家には恋が足りない」 

一体夫婦のすれ違いはどこからはじまるのだろう 

むしろキッカケなどないのかもしれない 
夫婦だからこそ定常的に存在する『孤独』 
この『孤独』の存在に気付きながらも 
触れることのなかった2人 

そんな2人が出会ってしまった甘い嘘 

“大人”と言ってしまえば片づいてしまいそうな内容も 
2人がもがきながらも生きる道が示されているのが 
印象的ですね 

“生”と“死”、“愛”と“孤独”、“真実”と“嘘” 
対照的なものの表現が散りばめられているのが 
この作品の骨子となるべきものをよりクリアにしています 

世の奥様方にはより絶望感があったほうが 
お好みかもしれませんが 
男性的にはめでたしめでたしって感じかな

また、ベッドシーンの多さにはちょっとウンザリしてしまうところ 
コレがなければ自分の中でもおもしろい作品入りするのですが。。。 

まぁ夫婦のあり方という点で 
個人的な意見と全く違うので 
どこまでいっても共感できるお話じゃあありませんがね
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