菩薩

その壁を砕けの菩薩のレビュー・感想・評価

その壁を砕け(1959年製作の映画)
4.1
芦川いづみのナース姿を拝めた時点で星が幾らあっても足りん!となりかねたが、なんとも新藤兼人脚本らしい硬派で社会派の苦しい話だった。自分の誤認逮捕がきっかけでこうなっとる癖に後半やけに主人公ヅラし始める長門裕之が絶妙にウザいのだが、走り出した汽車に飛び乗りなんなら上野くんだりまで後を付け決定的証拠を掴んで来た事実に関しては認めてやらねばならない。男はつらいよ好きとしては三崎千恵子と下條正巳の登場におばちゃんとおいちゃんやんなんて思ったり。現場検証に向かう芦川いづみの顔面に向けて物投げた奴はちょっとこっちに来なさい先生怒らないからと言って裏でバチポコしてやるから。撮影もスタイリッシュだし伊福部サウンドの煽りも素晴らしい。萎んだタイヤが再び膨らみ、もう振り返るまいと決別のクラクションが鳴り響く潔いラストも好き、うるせぇけど。
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