佐藤克巳

その壁を砕けの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

その壁を砕け(1959年製作の映画)
5.0
中平康監督、新藤兼人脚本の黄金コンビが、セミドキュメントタッチで描いた社会派サスペンス映画の傑作。前年交通事故で重症を負い再起した芦田伸介の本領発揮となった有能弁護士と、捜査を焦り誤認逮捕の汚名を晴らす長門裕之の活躍で事件解決となった。しかし、容疑者小高雄二との新潟再会を願っていた芦川いづみの、恋人の無実を信じる心が車に吊るされた人形に乗り移り長門を動かし、やがて捜査のやり直し、検証が行われ冤罪が確定する。渡辺美佐子、清水将夫、信欣三等の名演も素晴らしく、最後因縁の町を警笛を鳴らしながら走り去る二人に開放感全開。
佐藤克巳

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