悪魔の毒々クチビル

リンクの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

リンク(1986年製作の映画)
4.2
KILL LINK

女子大生が長期休暇に人里離れた別荘で教授の助手をしたらば、そこで飼育されているオランウータンのリンクに惚れられたお話。


エリザベス・シュー主演のモンパニ(モンキーパニック)映画です。厳密にはオランウータンか。
教授の家にいるオランウータンとチンパンジー2匹は勿論本物って訳で、役者という側面でも彼らの知性の高さが伺える作品です。
別荘来たらいきなりリンクが出迎えて荷物も持ってくれて、そのまま部屋に案内するシーンとか普通に感心しました。

一応リンクが主人公のジェーンに惚れてしまう、と言うのもあれど凶行の理由は自分が殺処分されるのを知ってしまったのが大きいかな。
内容もサイコスリラーな要素が多いです。

ただ惚れ描写も相当なもんで、入浴しようとするジェーンの裸体をじっくり見るその表情は紛うことなきド変態。
いやマジでオランウータンってこんな顔出来んの?とここ最近観た映画の中で一番笑ったかもしれない。
そして普段は服を着ているリンクが、この時だけは上を脱いでズボンも脱ぎかけ状態だったのが地味にホラーでした。

一方で相手を威嚇する時の獰猛さも本物なだけあって迫力があり、オランウータンの演技の幅に唸らさせましたね。
特に後半はジェーンを心配してやって来た彼氏とその男友達2人にも襲い掛かりますが、扉の郵便受け越しに頭掴んで扉ごとぶち壊すとかいう完全にパワー系キラーな荒業を披露してくれました。
加えて小柄かつ身軽なので、様々な所から侵入出来るのも厄介。
直接的な殺人描写は無くとも、殺した教授の車を崖から捨てたりと確かな知性と殺意を感じさせる場面があるのが良かったです。

そしてそんな変態暴君と化したリンクのお陰で相対的に可愛さが増すチンパンジーのインプも印象的でした。
ジェーンに死体の場所を示して事態を知らせようとしたり、銃の場所も教えてくれたりとこれまた要所で良い活躍していました。
劇中でも語られていたように、オランウータンもチンパンジーも人間より断然力が強くて撮影でももし何か刺激するような事になったら大惨事になりかねない訳で、一体どんな演技指導が行われたのか非常に気になる所ですね。

単に「オランウータンが襲って来る」だけが見所でなく、しっかり段階踏んで彼らが備え持つ知性の危険性も訴えるよく出来た作品でした。これは面白かった。
あ、言うの忘れてたけどエリザベス・シューの裸体はエロ通り越して最早「美」を感じるレベルの綺麗さで、そりゃ種族超えてガン見しちゃうよね。