イチロヲ

アクエリアスのイチロヲのレビュー・感想・評価

アクエリアス(1986年製作の映画)
3.5
ミュージカル劇の稽古場に本物の殺人鬼が紛れ込んだことにより、舞台関係者たちが戦々恐々とした状況に陥ってしまう。ダリオ・アルジェントにウェス・クレイヴンの成分を注入したような、サイコ・スラッシャー映画。

本作に登場する殺人鬼は、元舞台俳優というキャラ設定。舞台装置の使い方を知っているため、それらを巧みに利用しながらターゲットを恐怖に陥れていく。殺害の手口も決して一辺倒ではなく、色々なパターンが用意されている。

役者たちが仕事場で公私混同していたり、殺人を犯した精神病患者が病室にいることを医者自らが漏らしたり、殺人鬼への先制攻撃ができるときに限ってやらなかったり、随所にツッコミどころが散見されるが、そこも含めての娯楽なので、総合的には満足できる。

今まさに殺害されている仲間とカーテン越しに目線が合うシーン、殺人鬼が死体をオブジェのように配置して設営するシーンが、大のお気に入り。ただ、今どきの感性で観ると、全編に流れる80年代バンド音楽が、悪い意味で浮いているような印象を受ける。
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