星一

シェルブールの雨傘の星一のレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.4
 フランスととある街、シェルブールで車の整備士をしている青年、ギイと母と共に傘屋を営んでいる少女、ジュヌヴィエーヴ。二人はとても愛し合い、結婚しようとまでしていた。が、ギイが二年間の兵役が決まり、二人離れ離れになってしまう。その離れる前に二人は子供を儲け、お互いの愛を誓う。
 同時に傘屋の経営が傾き、差し押さえられる危機に突入する。渋々、母の宝石類を売りに出すことに、そこでジュヌヴィエーヴは、宝石商のカサールと出会う。カサールのお陰で、危機は免れた。そのカサールもジュヌヴィエーヴに一目惚れしてしまう。
 ギイと別れた後、手紙が届いたが、しばらく届かない時期が続き、心配するジュヌヴィエーヴ。お腹の中の次第に大きくなり、名前も決まっていた。母はお金持ちであるカサールを選ぶべきだと迫られる。真面目で優しいギイとお金持ちでギイの子供も一緒に育てようと言ってくれるカサール。ジュヌヴィエーヌは雨傘を選ぶように、二人の男性に気持ちが揺れてしまう。

 フランス映画で、想像通りオシャレな映画。映像は色鮮やかで、シーンに映る人々の服装も皆オシャレに感じる。ただ、私はあまりしらべずに見たので、びっくりしたがミュージカル映画だった。しかも、歌詞が、詩的な内容の歌詞ではなく、セリフをただただ、歌詞にした内容。字幕で見ると、「こんな普通のセリフを歌ってんの?。」とツッコみたくなるが、それが面白かった。だからこそ、重要なシーンではそのセリフがとても詩的で、かつ、劇的に感じる。これは人を選ぶ作りだと思うが、私は面白いと思った。

 ミュージカル映画はほとんど見ないが、このミュージカル映画はとても好きな部類に入った。

 そして、オープニングがすごいオシャレな演出をしていると思う。何十年前の映画なのに、カッコいいと思わされた。似たような映像はたくさんあると思うが、このオープニングはシンプルでオシャレで、全体の映像のイメージが掴みやすい良いオープニングだと思う。

 あと音楽、基本的にずっとシーンに合わせているように流れ続けている。映像とシーンとセリフ、この三つがうまいくらいに噛み合っているように見えた。それくらい音楽も良い。楽しいジャズから、状況と感情に合わせて、曲調も変わっていく。どれも印象がガラッと変わるので、飽きずに楽しめる。

 「フランスの映画ってどんなのがあるんだろう。」っていう人にはこの映画を勧めるのもありだと思います。映像、ストーリー、音楽、どれも楽しみやすい作品だと思いました。
星一

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