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シェルブールの雨傘のvenom9のレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.5
戦争に翻弄される人々。
ミシェル・ルグランの音楽に彩られる、悲しい物語。
ミュージカル映画ですが、本作のようにすべての台詞が音楽付き歌唱形態というのは当時珍しかったようですね。
主人公の一人、ギイに召集令状がでて、アルジェリアとの戦争に駆り出されます。恋人のジュヌヴィエーヴ(演:カトリーヌ・ドヌーヴ)はギイの帰りを待てずずいぶん年上の宝石商と結婚してしまいます。実はギイは戦地で怪我を負いジュヌヴィエーヴに手紙を書くこともままならなかったわけですが、彼女とすれ違いになり添い遂げることができず、除隊後荒れます。
戦争が若者達の人生を狂わせる、という表現は静かな反戦姿勢を感じさせます。このあたり、名作「ひまわり」と近いですね。
別の女性と所帯を持ち目標だった給油所の開業に漕ぎ着けたギイの元に、ある日ジュヌヴィエーヴが訪れるのですが、やや未練を感じさせる彼女と微塵も未練がないように見えるギイとの対比が興味深いです。
(2022年4月 PrimeVideoで鑑賞)
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