のんchan

蝿の王ののんchanのレビュー・感想・評価

蝿の王(1990年製作の映画)
4.0
ウィリアム・ゴールディングの有名小説の映画化で、1963年版ピーター・ブルック監督版もある(そっちは観る手段なし)


極限状態に陥った時、人間はどうなるのか?それもまだ年端の行かない子供たち。命の大切さは解っていても腹を満たすのが先になるのか?弱いものは強いものに付いていると楽なのか?
集団心理、イジメ、狂気を描いている作品。
とても見応えがあり、考えさせられる、子供たちの演技は素晴らしいです。


アメリカ陸軍幼年学校の生徒たちを乗せた飛行機が南太平洋沖に墜落する。
負傷した機長と少年たちは無人島に漂着するが、機長は亡くなってしまう。
子供たちだけで途方に暮れるが、規律を重んじる学校の生徒、秩序を持って困難を乗り切ろうと、リーダー格のラルフが声を上げ、それに賛同する太っちょで臆病だが優しいピギー。細かな決め事をして皆で力を合わせ実行していこうと提案するが、ラルフをライバル視している悪童のジャックが、ラルフが主導権を握るのが面白くない。そのうち、狩猟派(野生の黒豚がいる)を組織し、狩猟しながら自由に生きる仲間を募り幅を利かせていく。
何せまだ10歳前後の子供たち。お腹は減るし、火の番をするのは眠い。とにかくお腹を満たせるジャックに付いて行動するようになっていく。
ジャックは野生の本能がどんどん芽生えて、統率をとるのではなく、悪魔の化身のように荒っぽくなる。枝の先を削り獲物を捉える槍を持ち、皆が突ついて仲間を刺してしまう。また崖の上から岩を落とし、ピギーに当たって殺してしまう。
人間らしく生きようと頑張るラルフはとうとう最後1人になってしまうが...


衝撃映像があります。
しかし、これを教育ビデオとして子供に見せることは不可能なのか?
真似をして人間を容易く殺せると思ってしまう怖さもある。

人間の持つ本来の善と悪。
この作品を紐解き、きちんと指南するのが大人の務め。



※クリームちゃん、良作でした、ありがとう💕
のんchan

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