ネブュラー

蝿の王のネブュラーのレビュー・感想・評価

蝿の王(1990年製作の映画)
4.5
極限状態で浮き彫りになる人間としての社会性、野蛮性。
これは社会の縮図であり、子供たちという、より欲望に素直で、純粋な思考を持つものだからこそ、ここまでの縮図にリアリティが生まれる。
人間それぞれが持つ特性が違う中で、それぞれの利益を守る手段を選択した末の結果をシミュレーション的に描き出しているようにも見える。
野生を生き残るという目的を掲げたとき、ダイレクトに弱肉強食の原理が働き、そこから格差が生まれるのは想像に難くない。
そんな中、いわゆる「人間としての尊厳」を保てるものかと、子供を使った社会実験なる寓話として、いつの時代にも当てはまる人間の卑しさや残虐性を描く。
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