まひろんち

ノルウェイの森のまひろんちのレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
1.0
原作は大学生の時のベストセラー。
当時何回も読んで、自分自身の学生生活とも重なって、自分にとってザ青春が詰まった作品。
映像化されると聞いて、むちゃくちゃ期待したものの試写会を観た人達の評価を見て、当時はスルー。
数年前に動画配信で触りだけ見て、視聴中止。
今回初めて最後まで視聴。

松山ケンイチのワタナベ良かった。作者村上春樹をイケメン?にした感じで、雰囲気出てる。インティマシー・シーンも丁寧で、女性が見ても気持ち良かった。

最大の敗因は、菊地凛子の直子だよなー。
直子の持つ透明な硬質感とは対極な女優さん。
直子に妖艶さは必要ないのに、固く閉じて濡れないシーンでも滲み出る熟女感は何?顔の大きさや体の丸みのせいかな…
目線を泳がせることや、心配そうな上目遣いで、心の病を表現したかったのかもしれないけど、ぶりっ子で、あざとい直子になってしまっている。
直子はもっと透明で空虚で、線の細い感じ。幼なじみの恋人を自死によって失い、どうやって人と接するのか、愛することかどういうことなのかがわからなくなっている。
こっちの世界からは手の届かないところにいる塞ぎたくなる空洞感が欲しかった。
尊敬すべき良い女優さんだけど、主人公と直子の未熟な若さは、この作品の主題と重なっているので、ここで大きく外しちゃうと、全く異次元の作品と化してしまう。
アラサーながら、直子に対する無邪気かつ真摯な愛で、トラン監督の心を動かし、役を勝ち取った菊地。結果、作品を冒涜することになってしまったことが、ナイストライではあるけれど、非常に残念。
観終わった後は、2時間超の冗長なマスターベーションを鑑賞させられた感で虚無った…

水原希子の緑は可愛かった。私の中ではもう少しエキセントリックにワタナベを振りまわすイメージだけど、女優デビュー作で、セリフ棒読みなので、小動物感大人しめ。

要は、直子は原作よりブスだし、緑は原作よりキレイってこと。
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