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ノルウェイの森のsidのレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
4.5
何のために生きるのかと言うのは、何のために死ねるのか。そういうわけで自殺は健やか。思い出されたり、忘れられる事なくいられたりする。そうして健康に向かうもの。知っている人は自殺をした。生きている人がこれを語る事は出来ない。残された人がそこから何かを得る事は出来ない。ラストシーンのワタナベのように、自分の位置を知る事も出来ない。

レイコはセックスをする事で失われた7年を取り返す。直子は愛しているけれどそれは不可能で、好きだけれどそれを拒む。ミドリもきっとそう。ビートルズのNorweign woodの少女も。
それぞれは、なぜセックスを望むのか。理由はきっと寂しい故の逃避では無い。ただそうする事で、健やかで健康に向かうからであり、幸せに近づくからである。
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