天豆てんまめ

ノルウェイの森の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
3.7
「僕はずっとあの草原の中にいた。僕は草の匂いをかぎ、肌を風に感じ、鳥の声を聴いた。それは1969年の秋で、僕はもうすぐ二十歳になろうとしていた」ソラで覚えてしまうほど、大学時代、この小説を何度も読んだ。

村上春樹の中では一番のリアリズム小説だと思う。映画化されると聴いたとき、すごく驚いた。自作の映画化権をほぼ許諾しないと有名な村上春樹がまさか。と。何でも「青いパパイヤの香り」の監督のトラン・アン・ユンのことが好きだったらしく、奇跡的に映画化が実現した。

で、どうだったか。耽美的な映像は美しいが、そこに委ねすぎて冗長。記憶と幻想の混濁したまどろみが狙いだったのだろうがあまりにもアンニュイで、あの時私が感じた鮮烈さと深みは薄まってしまっていた。

ワタナベ役の松山ケンイチはアクがない分、まあ良いとして、この作品の生命線である直子役の菊地凛子は繊細で儚げな直子役をするには存在が骨太過ぎた。パシフィックリムで闘っていて欲しかった。

脇ではレイコ役の霧島れいかとハツミ役の初音映莉子はナイスキャスティング。キズキ役の高良健吾と永沢役の玉山鉄二もまあ合っていた。

原作ファンとして満足とは言えないけど、たまにブルーレイを眺めようかと思っている。

そして、緑役の水原希子のデビュー。新鮮な存在感が良かった。

先日東京国際映画祭で観た「あのこは貴族」の彼女も輝きを放っていた。

「あのこは貴族」のレビューは監督にリツイートも頂き、天浪院書店のWEBサイトにアップされましたので付記させて頂きます☺️

Q-One クワン シネマエッセイ

映画「あのこは貴族」と学内階級格差から逃れられない元慶應ボーイの憂鬱。

http://tenro-in.com/mediagp/156004?fbclid=IwAR1jFqaRbRfEbK1FsZvUbHlCaGExwN3T-L9ZLqBB_n8OD15zuZ8_Dtvx9X0

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