せびたん

ヘルハウスのせびたんのレビュー・感想・評価

ヘルハウス(1973年製作の映画)
4.5
オープニングがカッコよかったです。
その後終盤まで70年代のホラーっぽい古典的で知的な雰囲気で進むのですが、クライマックスがとてつもなく痴的で楽しいというか。私にとっては違った意味で好きな雰囲気な上、ものすごい落差があってギャップにやられました。

ふたりの霊媒師によるアストラル?霊力?攻撃が通用せず、物理学者による電磁波を利用した除霊装置の攻撃も通用しなかった悪霊に対してまさかの言葉攻め(ラップバトルでよくある相手の出自や見た目に対する誹謗中傷みたいなやつ)(ひらたくいうと小学生の口げんかみたいなやつ)に出てました。それが悪霊にわりと効いてました。
近年ならこういう時でも最後は拳と拳で語り合う(霊に対する物理攻撃w)ことになるんでしょうが、この時代にそういう発想はなかったんでしょうね。逆に意表を突かれました。

言葉責めのパンチラインが今の基準ではコンプラ的にアウトなワードの連発だったので、本作がサブスクで配信されない理由に深く納得しました。もったいない話ですわ。かなりな良作なのに。

途中、「この屋敷で何かを信じるやつはバカだ」という言葉が妙に心に刺さったので、なんでだろうって考えてみたら、私は心の中で「この屋敷」を「この世界で」に置き換えて聞いていたみたいで(笑)
いや笑っててええんか?というのはあるけれども。
私にとっての悪霊は何なのか?みたいなことをいつか考えなきゃならんのだろうけど、面倒すぎるのでなかったことにしときます。
せびたん

せびたん