風神

加藤隼戦闘隊の風神のネタバレレビュー・内容・結末

加藤隼戦闘隊(1944年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

日本映画専門チャンネル放送分を
録画して鑑賞。

『撃ちてし止まむ』で始まり
『前線は待つ
鐡を飛行機を』で終わる
情報局選定国民映画にして
陸軍省後援作品。

黒澤作品の『姿三四郎』などに出てる
藤田進さんしかわからなかった。

プロパガンダ映画であり
戦意発揚映画なわけですが
それ故にラストが不思議。
加藤航空隊の活躍を見せたいのに
徐々に減っていく隊員たち。
ラストはまさかの隊長の死。
攻撃を喰らって
反転して海に突入して自爆が
美談だった時代の狂気。

戦闘シーンは
実際の映像も織り交ぜてるっぽい。
会話も台詞も無く
ただひたすらな空中戦。
特撮の出来も当時としては良いかと。
解説が文章で挿入されるのが
当時のニュース映画っぽい。

パイロットとしての技量もあり
気さくで、隊員思いの隊長。
作戦行動のミスで2名死んだ時
あまりのブチ切れで
台詞が全くわかりませんでしたけど。
その後、部下たちにフルーツを
振る舞い、労を労う。
絵に描いたような理想的な上官。

衣食住の整った
真珠湾の前から一年ほどの物語。
まだイケイケだった頃のお話。

終戦前の
まだ、やる気な軍部の考えを描いてる。
敗戦を知ってるから
足掻くラストの文言も切ない。
ただ、映画としては
よく出来てると思いました。

2023-261
風神

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