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愛より強くのoqmrのネタバレレビュー・内容・結末

愛より強く(2004年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

娼館には行くのに、トルコ人が娼婦として客を取るのはトルコの誇りが許さないなど、捻じ曲がった伝統の枠組みに苦しめられる女性、と妻に先立たれ人生に絶望する男性。在独トルコ人の苦悩、を軸に観るとどうしても政治と運命に翻弄された男女の悲劇に思えるのだが、「愛」という観点を大切にすると、シベルがよくわからない。ジャイトは自分の手を瓶の破片で血だらけにするほどシベルへの狂気の愛を持っていたが、シベルがジャイトの愛に釣り合うほどの愛を表現した場面を見つけることができないのだ。ドイツでのリベラルを通り越し性に奔放な振る舞いと、イスタンブールでの自暴自棄を通り越してなげやりな自殺の行程を見ているような振る舞いはあまりにもジャイトの愛の真摯さの前では稚拙で子供じみている。そのギャップのせいか、最後の二つのピースが重なり合わなかったところには妙にガッテンだった。
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