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姑獲鳥の夏のmisqのレビュー・感想・評価

姑獲鳥の夏(2005年製作の映画)
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怖そうだったので悩んでいたのですがついに観ました、怖くなかった。
魍魎の匣の方はトンチキな(それ故に謎の良さがある)映画なのですが
今作はかなり原作の雰囲気に寄せてきてて良かったです!
関口巽役の永瀬正敏さんの挙動不審っぷりが最高!関口の精神面の危うさがよく出てる!!!
涼子(と梗子)役の原田知世さんも本当に良かった…

でもあの厚さの原作を2時間に収めるのってやっぱ無理があるし、映画としてはそんなに面白くはないですよね。だって何が何だかわかんないんだもん。
原作で延々と京極堂の蘊蓄を聞いていたり「本当にこの人たちのこのくだりはいるの?」と思うところも「結局全部いる!!!!!!この積み重ねで終盤、読者を納得させるから!!!!」というのを身に染みて感じることができ、良かったです。圧倒的文章量のパワープレイですべての「いやそれは無理がある」をなぎ倒す、それが京極夏彦。
(本人もちゃっかり出演しててかわいい)

最後の「死体を認識できなかった」も、「そんなわけあるか」じゃないですか
でも原作冒頭で50P以上ある京極堂の蘊蓄と持論を辛抱強く読み切ることで「そんなこともある、この世に不思議なことなど何もない」までいけるんですよ。


ところで原作だと豪雨の中終幕なのですが、予算不足なのかなんなのかまさか正反対の大火事で締めくくるとは思いませんでした。

観れて良かったです。
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