僕は学生時代から原作者である京極夏彦氏のファンで、本作・姑獲鳥の夏はそのきっかけの作品。
そして初めて映画を見たとき「え〜」とえらくガッカリした。でもしばらくするとまた見たくなり同じ感想を抱く。
そしてまた…を繰り返し、多分これで5回目くらい。で、見るたびに評価が僕の中で上がってきている。それは、3度目くらいから実相寺昭雄監督の作家性を理解し始めたのも大きいと思うが、この独特な世界観はやはり唯一無二。それが本作の原作にある怪奇趣味的なエッセンスにマッチしており、まあ見事に過剰なまでに全面展開している。
それがまあ何ともいえぬ味わいになっている。
そして驚くべきことに本作はあの長尺の原作にストーリーラインはかなり忠実なのだ。大胆な説明ゼリフによるところが大きく賛否あるだろう。というか、原作を読んでない限りかなり集中してみないとわからないだろう。
だからまあ、低評価なのもわかる。
それでもそれでもこれはクセになる。こうやって見返したくなるのだからどうしようもない。
あと、キャストによる魅力は大きいだろう。
主要キャラクターはもちろん、久遠寺家の面々、特に原田知世は完璧な存在感。個人的には関口役は、永瀬正敏が一番。
もうこの世界観を接種したから当分いいだろうが、また数年後には見返すんだろうな、と思う。
