ミズナラ

姑獲鳥の夏のミズナラのレビュー・感想・評価

姑獲鳥の夏(2005年製作の映画)
2.0
この世には不思議なことなど何もないのだよ関口君。

わたくしめの大好きな作家さん、京極夏彦原作の映画でございます。

特にこの百鬼夜行・京極堂シリーズは思い入れの強い作品な為、観るのを避けてまいりました。

しかし、京極夏彦本人もこの映画に出演(水木しげる役!)しているとの情報があり、いざ観賞でございます。

それにしても豪華絢爛なキャスト。
フィルマークスのキャスト欄に収まりきらないほどでございます。
鈴木砂羽とかマギー(男のほうね)とかも出てます。

20ヶ月妊娠したままの名家の娘と密室から失踪した旦那。
連続新生児誘拐事件と薬物中毒死事件。
子供をさらう妖怪に子供をあずける妖怪。

推理モノ+オカルト妖怪要素+陰陽師系憑き物落とし
というごった煮的なミステリーでございます。

なんですがね・・・・

うん、映像は頑張って世界観を出そうとしてるのは伝わってきます。昭和初期の古めかしさや、おどろおどろしい雰囲気とか。

が、主要人物4人のイメージが、あまりにも・・・
ここまで違和感しかないとは・・・堤真一、永瀬正敏、阿部寛使えばいいって問題じゃない。宮迫博之に関してはもう、何も言いますまい。

かといって、じゃあ誰がイメージなのか?と聞かれたら答えられないっスけどね。
いい意味で誰もマトモな人が出てこないから。

ストーリー的にはあの超分厚い、人を殺す凶器になりえる本を一本の映画によく纏めたなぁ。とは思うんですけどね。

このシリーズの売りである、圧倒的な宗教学・民俗学・心理学・脳科学などなどの蘊蓄がイマイチ。

基本、トリックとかは、ちょっとミステリーとしては邪道的に雑な話(誉めてます)なので、それを補ってあまりある、蘊蓄や魅力的で個性的過ぎる面々のキャラ立ちが必要な作品なのに。

この二つが粗悪過ぎる・・・

京極夏彦の原作作品でよく使われるワード。

映像化不可能と思われる云々。

やはり、この人の独特の様式の文章は読んでこそなんだろうか。

でも、もう遅い。
もう一本借りてしまったわよ。

こうなったら、京極夏彦の作品全部観てやる!!
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