ぺっこり180度

姑獲鳥の夏のぺっこり180度のレビュー・感想・評価

姑獲鳥の夏(2005年製作の映画)
3.0
だらだらと続く眩暈坂の上に、古書店京極堂はある。

20ヶ月もの妊娠、主人の失踪、新生児の誘拐…
古く由緒ある病院に纏わる怪しげな噂に首を突っ込んでしまったこの物語のストーリーテラー、関口は、
京極堂主人中尊寺を頼って、訪ねていく…。


原作が、発表された時は衝撃的だった。
独特の文体。新しい世界観。読めないタイトル。(^_^;)

そして最後まで読んで、そのオチに「おいおい」と突っ込んだものである。
ま、関口を中心に物語を展開したことが作者の凄いところで。
読者から見れば「関口~っ」ってなもんで。

原作つきなので、映画館に見に行くのはためらわれた。
そして、案の定公開は結構短い期間で終わっていた(失敬)
ので、やっと思い出したようにレンタルで拝見。

思っていたよりもキャスティングは気にならなかった。
関口に永瀬さんでは格好良すぎるのではないかと思っていたけれど、
意外にはまっていたし、一番「どうかなあ…」と思っていたえのさんも、まあ、原作とは別物と考えればありっちゃあ有りな気も。
原作のえのさんに忠実な感じの役者さんなんて、存在しないんだもん。
そう、私はえのさんファン。

全体を通しても、原作を大切にしている感じは出ていて、原作ファンとしては嬉しかった。
けれど、全く原作を知らない人が見たら、何かわかりにくいんじゃないかなあ…。
あの世界観を二時間に収めるのはやはり厳しいのかも。

あと不安感&不安定感を出すためだろう、やたら画面が斜めなのとか、
音効がやたら2時間ドラマとか昔の横溝正史シリーズの角川映画とかっぽくしている割にどこか「いや、そんな事はない」とプライド的なモノを感じさせるあたりが、
やるんならもっとやらないと!
と、いう中途半端さを感じてちょと不満。

主観でいうなら「まあまあ」。

2006年5月視聴