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陽動作戦のmhのレビュー・感想・評価

陽動作戦(1961年製作の映画)
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ビルマ、インド方面に展開したアメリカの部隊――Merrill’s Marauders(第5307混成部隊。グーグル翻訳だと「メリル略奪隊」)と、彼らがおこなった「ミイトキーナの戦い(1944年5月17日-8月3日)」についてのエンタメ戦争もの。
ビルマ、インドを実効支配していたのはイギリス。なので、そこにアメリカ軍が登場するという史実にびっくり。
ミリタリー関連でウィキペディア日本語版に項目がない(2022年3月現在)のはかなりレア。この映画が有名にならなかったことも要因のひとつかと思う。
映画はほぼ史実通りに進む。
・そもそも作戦の目的はビルマルートを潰されたため、新たな米英から中国への輸送経路「レド公路の打通」のため。つまり資材・物資に乏しい。
・ミイトキーナまでの2千キロに及ぶ行軍。
・将官を含めたかなりの損耗。
このあたりが主なプロット。
インパール作戦(1944年3月8日-7月3日)みたいな無茶な移動を、アメリカもやってたの知らなかった。
・部隊には通訳を含める日系人がいたこと。
・アメリカ陸軍中将ジョセフ・スティルウェルが支援する新四軍(中国の国民革命軍新編第四軍)と共闘していた。
・日本軍はイギリス軍相手にインパール作戦のまっ最中であり、こちらも相当疲弊している。
このあたりにはノータッチ。
新四軍はのちに中共軍に吸収されるとのこと。アメリカが支援していたのは国民党軍だけではなかったというのも個人的に驚きポイントだった。
「ミイトキーナの戦い」はイギリス軍の知らないところで行われており、勝利の報をいきなり聞かされて、マウントバッテンは憮然としていたとのことだ。
勝利はしたけど部隊の八割が死傷。この戦いのあとビルマ、インド方面からアメリカ軍は撤退するとのこと。
とまあこのように史実がめちゃ面白いんだけど、映画のほうがいまひとつ。
撮影はこの上なくきれいなんだけど、ストーリーの凡庸さと音楽のチープさがそれを上回ってくる。粗製乱造の戦争映画のひとつでしかなかった。
当たり外れの激しいTSUTAYA良品発掘レーベルのこれはハズレのほうでした。
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