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翼に賭ける命のkogureawesomeのレビュー・感想・評価

翼に賭ける命(1957年製作の映画)
3.9
飛行士と、整備士と、新聞記者と
飛行士の妻と子供の話。

戦争の英雄は、空では腕利きの飛行士だが、地上に降りればダメな夫であり、DVに近い関係でしか妻と接することが出来ない。今の目で観ると戦争によるPTSDを彼は持っているようだ。
飛行士にも、飛行士の妻にも片想いしているような整備士は、マゾヒスティックに彼らと旅をし、生活を共にしている。
アルコール依存症気味な新聞記者は、飛行士に強い感心を持ち記事を書きたい強い衝動と、飛行士の妻への恋愛感情を抑えられない。
飛行士の妻は、飛行士と10代の頃に出会い、恋をし、共依存の関係に陥っていて、美しさが不幸の原因のような袋小路にいる。
飛行士の妻の子供が、父親は誰なのか?と揶揄われている場面から映画は始まる。

飛行士役のロバート・スタックは、現役の俳優でいうとショーン・ペンに似ている。
この役もショーン・ペンに合いそうだ。

照明と鏡の使い方がとても良い白黒映画。

ウィリアム・フォークナーの小説『パイロン』が原作。

ちょっとフェリーニとかベルイマンの雰囲気も個人的に感じた。
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