〝イーディス・M・セジウィック 美貌の画家で女優〟
制作前から制作後に至まで賛否両論あったこの作品は、題材が魅力的なだけに映画としては退屈で中途半端さは否めない。
画家を目指すもアンディ・ウォーホールとの出会いによって工房〝ファクトリー〟に出入りし気に入られ、モデルや女優と時代のファッション・アイコンとなりポップカルチャーの象徴的存在にまで上り詰めたイーディ。
パーティー三昧の日々を過ごし社交界では欠かせない存在、人々を魅了する何かをイーディは持っていた。
酒・セックス・ドラッグ…明るくハチャメチャな彼女はウォーホールだけでなく誰にでも愛されたのは何故か…。
彼女の魅力は完璧な女性を演じるのではなく、『自分が守ってあげないと』という気を男にさせる弱さと一瞬の悲しげな表情がそうさせるのか。
(確かに分からない訳ではない…いや、すごく分かる。)
ただ彼女は演じていたのではなく彼女の生い立ちを考えると、それは自然の行為だったのかもしれない。
スピードをキメ、合間にヘロイン…酒を絶やさずドラッグに溺れる。
28歳の若さで亡くなったイーディ・セジウィックの自伝的映画。
イーディの存在はもちろん以前から知り魅力的と感じてはいたが、個人的にはウォーホールの作品に興味があった。
若かりし頃、偶然通りかかった小さな画廊でウォーホールの〝キャンベル・スープ缶〟のシルクスクリーンに魅了され、金もないのにローンを組んで購入。
いろいろあって何度か手放すかどうか迷った時期も有り、紆余曲折を乗り越えながらも今は部屋の片隅に。
その後の自分が現在に至る方向性を確立させたとも言っていい作品であり、普段は当たり前のように無造作に壁に立て掛けられた〝キャンベル・スープ缶〟。
映画を観賞した後に改めて眺めると過去の自分と現在の自分が脳内でミックスされ、人生で得たモノと失ったモノが有る中で自分がどれだけ成長したのか自問自答した…(u_u)