くぅー

ファクトリー・ガールのくぅーのレビュー・感想・評価

ファクトリー・ガール(2006年製作の映画)
3.6
1960年代の芸術界をポップ・アートで風靡したアンディ・ウォーホル・・・そのミューズとして彗星の如く現れて、強烈に輝いては消えたイーディ・セジウィック嬢の28年間を描いた異色作。

タイトルのファクトリーとは、ウォーホルのN.Y.の仕事場のコトで・・・トルーマン・カポポーティやミック・ジャガーにルー・リードらも集い、混沌としつつも様々な才能が入り乱れ、あのウォーホルの名画の数々も生み出された。

そんな場所に訪れたイーディ嬢は、一瞬でウォーホルの目を釘付けにし、ファクトリーでの化学反応を経て、輝きを発してセレブとしての頂点を極めたかに見えた・・・が、ブラックホールの側面も持つファクトリーでは、ハイな薬に溺れざるを得ず、ある吟遊詩人との出会いと別れに激しく揺さぶられ、ジェラシーと寂しさに身も心も削られて、堕ちて逝く姿には言葉が出ませんでしたね。

そう、"太く短く"と言う生き方がありますが、"甘く短く"を見てしまった哀しい余韻・・・って、愛に餓えざるを得ない幼少期だったがゆえ、自分に甘く脆いのだけど、儚くも甘く美しい世界に光を放ったのだから、頷けはしますが。

なお、キャストでは、まずはシエナ・ミラーの成りきった熱演が印象的。
さらには、ウォーホルに見事に化けたガイ・ピアースには驚き、ディランっぽいヘイデン・クリステンセンにもニヤリ。
くぅー

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