オスマン・トルコの民族弾圧に苦しむ田舎のギリシャ人が、
家族の全財産を託され期待を背負って都へ向かったものの、
お人好しすぎてトルコ人に食い物にされ無一文になったため、
食い繋ぐために結婚詐欺を行い、
富豪の夫人相手に不倫もして、
そんで何とかアメリカンドリームを成し遂げた話。
普通にクズやんな?
悪人に財産を奪われた苦難?
人生を狂わされたトムナちゃんのほうがよっぽど苦難なのである。
カザン監督の伯父の体験に基づく話。
って。
もちろん、
カザン監督か、
伯父本人か、
カザン監督に言い聞かせた親族か、
どこかで話は盛り盛りになってるだろうけども、
それを差し引いても当時のオスマン朝の空気感が知れるのは良き。
有名な民族浄化問題は、
被害者側のバイアスもあるからともかくとして、
コンスタンティノープルに行けば何とかなる意識とか、
でも実際には救いようのないくらいの貧富の差とか、
アメリカとの間に定期船便があるのとか、
海外の富裕層に売り付けるのはこの頃から絨毯なんだなとか、
いろいろ興味深い。
敬虔なムスリムがアッラーに祈りながら酒飲んだり悪行三昧なの、
どう見てもカザン監督のわかりやすいイメージングだと思うんだけど、
あれめっちゃ問題になりそうだけど大丈夫なん?
見た目印象としてはアラブ人っぽいというか、
ぼくがトルコを車で旅してた時は、
山村とかにもあんな感じの人皆無だったけど、
オスマン朝の頃はトルコ人でもあんな感じだったのかな?
結局のところ、
アメリカは差別もなく誰でも成功のチャンスありますよ!
っていうアメリカ讃歌なんだけど、
アンソニー・マンの「国境事件」を観なさい!!!!!
現実はそう簡単なものではないのだ。
ああ、そんな簡単に言うな~
そんな簡単に言うな!!!!