三四郎

椿姫の三四郎のレビュー・感想・評価

椿姫(1937年製作の映画)
3.0
シャンパン片手に笑う彼女
時にその瞳は涙に濡れていた…

友達がいいね、あのガストン…私は人生において彼のような人になりたい。彼の役を演じたい。
「愉快でおもしろいだけの人かと思っていたわ…実は心優しい思いやりある人だったのね…」そんな人になりたいね。

ガルボは愛するロバートといる時は、常に白いドレス姿だったように思う。男爵と再び現れた時、彼女の衣装は派手な黒色に見えるドレス…つまり彼女の不幸な現実に嘆いている心理描写であろう。
ロバートといる時こそが、彼女の人生における幸福なワンシーンだったのだから。

しかし、それほど感激する映画ではない。

ロバートは若い美青年で、世の中を知らぬウブさを上手く体全体で表現しているのではないかしら。
ガルボは…椿姫には合わないな。もうこの頃には…美しさは過去のものとなりにけり。しかし、彼女の熱演には感涙。

„娼婦“の話ゆえ、いくら名作と言われていても読む気になれず…未だに原作を読んでいないのだが、私のイメージの中の椿姫は…黒髪でもっと甘くチャーミング、いや肉欲的、魅惑的、妖婉…でムッと薔薇が匂うような、そして賢さも持つ女性なんだよなぁ。
色気がない神聖ガルボ帝国。
そうだ!リル・ダゴファーなら『椿姫』を演じられただろう!

それにしてもMGM作品は豪華!これぞハリウッド映画。冒頭からロマンチックな美しさ、スピード…日本映画を想うと貧相に思えてきて悲しくなる。
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