Wakana

トニー滝谷のWakanaのレビュー・感想・評価

トニー滝谷(2004年製作の映画)
4.2
(2022/10/13追記)
二年ぶりに見ると、他人は思い通りにならないが、それでも思い通りにならない他人としか孤独を解消できないという話でもあると思った。

ホーソーンの“The Birthmark”みたいな話だなと思って原作を読んだし、やっぱり似ていると思いながら映画を見た。
好きな人の(その人たらしめる)特徴を傲慢にも矯正する行為がどういうことなのか、というか、自分にとって不快で取り除きたいそれこそが相手を形づくっていると気がつけないことがどんな孤独を生むのか——(それか、無意識の抑圧がどれほど致命的な暴力なのか、ということもいえるかもしれない)。

暗いお話ではあるけれど、グレーに青みがかった画面に坂本龍一の音楽がぴったり合っていて、少し寒い静かな夜に見るのにはぴったりの映画。
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