すず

サスペリアのすずのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.0
ニューヨーク出身のアマチュアバレリーナ スージー•バニヨンはドイツの名門 フライブルク学院にバレエ留学する。大雨の降りしきる夜、到着した彼女はなぜか門前払いにあい、ひとりの女学生が錯乱気味に大雨の闇夜へ飛び出していく姿を目撃する。彼女は何かを口走っている。「…〝秘密〟…〝アイリス〟…」…? 

そして、翌日、その女学生は何者かに殺害されたことを知る。

学園のベテラン教師のミス•タナー、ブランク副校長らはスージーを改めて歓迎する。不穏な予兆を孕みつつ、スージーの学園生活が始まった。

「…あなた 魔女について知ってる?…」


外装、内装、インテリア、コスチューム、ライティングも含めて、赤、緑、青 の三原色で効果的に示される圧倒的な色彩の揺動感と映像美。強烈な発色は目にも鮮やかで、華々しく、美しくもあるのだが、けばけばしくも、毒々しくもある。そして、主に赤を基調とする映像から予感させるものは、紛れもなく血の気配である。

イタリアのプログレバンド ゴブリンの奏でる静と動を織りなす繊細な音響が、壮麗な世界観と効果的な揺動感を大いに助けている。

この作品はD •リンチのツインピークスの〝ブラックロッジ〝〟のビジュアル•イメージに大きなインスピレーションを与えていると感じた。

謎が少しずつ明かされて行き、妖しく照る濃紺のベルベットのカーテンを抜けて、スージーが目にする光景は本作の圧倒的なハイライト。

ダリオ•アルジェント〝魔女三部作〟の第一弾。

未見なので旧版とは比較出来ないけど、4Kレストア版は凄い綺麗でタイムレスな映像空間だった。

※いい加減にして欲しいのは、本作『サスペリア』(77年)より『サスペリアPART2』(75年)の方が時系列が先だというとんでもない事実。しかも内容も続編でも何でもないという。。事実を湾曲するようなタイトルをつけるとは、何をやってくれてるんだ、日本の配給会社は…。さすがに酷くて唖然とした。笑
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