KnightsofOdessa

サスペリアのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.5
No.651[バレエ学校なのに誰一人踊らない] 90点

美少女を雑にイジることに定評のあるアルジェントの最も有名な作品。別に予習のために観たわけじゃないんだよ?主演はアルジェントの内縁の妻ニコロディになるはずが、アメリカでの配給を考慮してハーパーに交代した。失礼ながらニコロディよりも断然可愛いので配給よくやったという感じ。「顔のない眼」以降変な役ばかりが目立つアリダ・ヴァリやこれが遺作となったジョーン・ベネットなどが出演しており、謎の国際色の豊かさを楽しめる。同級生ダンサーの謎のケバさ(死語)には時代を感じるが。

冒頭からハーパーに大雨を浴びせ、光を浴びせ、ピッチャーから水を飲ませ、蛆の雨を降らせ、睡眠薬を飲ませ、コウモリをけしかけ、カッシーニには針金も森をくぐらせる。雑なイジり方は好きな女の子にちょっかいを出す小学生のようだが、その気持ちは分からなくはないのでそっ閉じ。赤の使い方と言うより光の使い方が狂っていて大好きな映画なんだけど、最初のパットが殺されるシーンとか展開が色々とめちゃくちゃなんだよね。ダニエルのロングショットも若干ピントが合ってないし、たまに歪曲収差でハーパーの顔が細長くなるし、展開としても魔女に詳しい教授が登場したり、えらい遠くの足音まで聞こえたりとツッコミどころ満載なのだが、色彩感覚で脳天ぶち抜くショットが数多くあるので気にならない。

というか、こんなに座ってるだけで事件が解決する探偵も珍しいのでは。
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