海

サスペリアの海のレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
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完璧な悪夢だった。悲しさは過ぎればいつも潔く鋭い。真っ暗なものに緑と赤で色を付けて誤魔化されているだけかもしれないなにか、悪夢だって夢だ、夢の中のあなたは、まばたきするたびに顔付きを変えているはず、そうじゃないかい。回れば回るほど伸びていく螺旋階段、踊れば踊るほど沈んでいく砂地獄、怖いほどに面白い、面白いほどに怖くなる。眠ってしまえば飲まれていくだけ。愛と憎しみの両方を知らなければ、ひとは祈ることも呪うこともできない。人間の心の一つの結末。全編にわたり、かっこよくってたまらなかった。
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