真っ黒こげ太郎

サスペリアの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.3
画面の色使いがヤバい!!!!
やたら大音量で鳴るBGMがヤバい!!!!
美しくもねちっこい惨殺シーンがヤバい!!!!
とにかく映像と音楽がヤバい!!!!www


ニューヨークからやってきたバレリーナ志望のスージー・バニヨンはドイツのバレエ名門校のフライブルク学院に入学する。

しかし到着早々、スージーの身の回りに異変が起き始める。
謎のフラッシュを浴びたり、レッスン中に体調不良でぶっ倒れたり、天井から大量のウジ虫が降ってきたり、変なうめき声が聞こえたり、盲目のピアニストの盲導犬が凶暴化したりと怪奇事件が立て続けに起きる。

この学園に一体、何があるというのだろうか…。



バレエ名門校に入学した学生が恐ろしい事件に巻き込まれる、オカルト・ホラー。
ダリオ・アルジェントさんの名を世に知らしめた有名作。

最近、リメイク版も出た程の有名作(でも、評判が悪い。)ですが自分は恥ずかしながら今まで観た事無かったです。w
ですが、最近ご近所のTSUTAYAでソフトが並び、気になっていたのでレンタルしてみました。
スプラッター描写もあるっぽいし。w


…そしたら、色んな意味でヤバかった!!!w


お話は「名門校に入学したら怪奇現象に襲われた!」の一言で済むどシンプルな内容ですが、演出と視覚効果、そして怒涛の音楽によってすさまじい映像作品と化していた…。

まず、画面の色使いが凄い!!!
全編に渡って赤や青、緑や黄色といったドギツイ極彩色が画面を彩る。
赤の激しい廊下ややたらカラフルな色の内装と言った美術面も勿論だが、全編に渡って赤や青や黄や緑といった照明をフル活用した映像が大炸裂!!!
就寝前だというのに異様なまでに真っ赤な照明が使われる、あんなん寝れるか!!!w(自分もやたら青い豆電球を使った事あるけど。)
クライマックスのパニックシーンに至っては、余りにも画面が鮮やかすぎて変な笑いが出てきてしまった。w
正に色彩の暴力!!!マイケル・ベイさんの映像が可愛く思える程だ。w
(色使いの使い方は全く持って違う物だが。)


そして、全編に響き渡るBGMが凄い!!!
ジャケの感じから静かな映画かと(勝手に)思ってたのですが、実際には物凄い不気味で騒がしいBGMが全編に響きまわる!!!
冒頭から不気味なBGMで不安を掻き立て、殺しのシーンでは凄まじい大音量の気味悪い音楽が激しく鳴り響く!!!
ショックシーンの前兆でも同じで、普段なら静かな音楽を鳴らして不信感を演出する場面でも、今作では不気味かつ騒がしい音楽が流れる。
最初の殺された死体を映す際の音楽は一歩間違えれば音割れポッターレベルだ。wwwwwwwwwwww
ただ騒がしく流してるわけではなく、(恐らく)一番のドッキリ演出の際にはBGMをスパッと止めたりと、静と動をメリハリよく使い分けている。


そして最後に残酷シーンの生々しさが凄い!!!
残酷描写自体は少な目ではあるのですが、殺されるシーンがどれも生々しくエグイ。
初っ端からナイフで何度もねちっこく刺され、もの凄い無残ながらも芸術的に死ぬ最初の犠牲者。
その後も犬に喉を食いちぎられたり、喉をカミソリで切り裂かれたりとどれもこれも生々しさ満点な殺害シーン。
特に喉をカミソリで切り裂かれるシーンは思いっきりアップでシッカリ見せていて、観ててエグイ。
しかも、殺害シーンがどれもエグイにも関わらず、上記した色素使いや凄まじいBGMも相まって、芸術的に映ってしまうのだがら、正に映画のマジック!!!


そんな感じで、アルジェントさんの凄まじい音響&視覚効果、そしてゴブリンのBGMをフル活用する音響効果によって、実に見ごたえある映像になってました。
お話自体は割と普通目ながら、演出の良さと映像の凄まじさも相まって最後まで楽しめました。
バレエスクールが怪奇の連続する場所だったという少女漫画チックな内容や、学校に眠る怪談の謎を解くというドラマも悪くない。


ただ、今作のクライマックスでは割と真相が明かされたりするのだが、割と視聴者の解釈に委ねる場面も多いので「結局、アレはどういう意味だったんだ?」と思う個所もチラホラ。
(まぁ、ルチオ・フルチさんの「ビヨンド」に比べればマシだが。そういえばあちらでも盲目の人が盲導犬に噛み殺されていたな。w)
特にクライマックスでは視聴者の解釈に委ねる場面が多く、明確なアンサーが出なかったりするので、そこは好みが分かれるかもしれん。


映画自体は古いし、ちょっとダレる場面もなくはないですが、今観ても映像や音楽が凄まじい、インパクト抜群のオカルトホラーの傑作でありました。
流石オカルトホラーの傑作と称されてるだけあって、凄い内容でした。
そりゃ多くの人の記憶に残る筈だわ。wwww


なお、こんなぶっ飛んだ作品にも拘らず、ダリオ・アルジェントさんの作品の中では割と真っ当な作品らしいです。
これでか!?w

後これは単純に疑問なんだが、盲目のピアニストが殺される直前で鑑賞してた、半袖半ズボンの男達が音楽に合わせて愉快な手拍子ペチペチダンスを繰り広げているアレは一体何だったんだ。w
誰かあのダンスについて詳しく教えてください。w