Thousand

北極のナヌーのThousandのレビュー・感想・評価

北極のナヌー(2007年製作の映画)
4.5
シロクマもセイウチも生態とかよく知らなかったので色々初めて知ったことが多かった。
セイウチがあんなにヒトっぽさを持った群れで助け合いながら生きてる動物だとは。
シロクマもシャケとか魚食べてそうなイメージだったけどあんなに狩りに苦労して空腹や疲労を経験しながら厳しい自然で生きているとは思わなかった。

母親シロクマにとってオスのシロクマが天敵だとも知らなかったのでオスシロクマの父性のなさにびっくり。
オスは交尾したら後は関わらないのか?母親シロクマが巣穴で子供を産みシングルマザーで育てていた。強いと思われがちな熊なのに、なかなか獲物にありつけなくて狩りに苦戦して腹ペコな様子は見ていて可哀想になる。

しかしこんな撮影よく出来るもんだ。
撮影クルー達の映像が最後にチラッと映っていたので、え?人も撮影していたんだとびっくり。人間達を気にせず日常を送ってその様子を撮影する事をシロクマやセイウチ達に一体どうやってしたんだ?食べ物をちょいちょいあげてたのかな?危険はないのか?とか色々不思議だが、貴重な映像である事は間違いない。
動物の赤ちゃんの可愛さはシロクマとて例外でなく赤ちゃんナヌーもとっても可愛い。
でも私達人間はすぐ動物を「可愛い」という言葉で表現してしまうけど人間にペットで飼われている動物だって可愛いだけじゃなく色んな本能や感情を持っている訳でやたら可愛いとかお利口だけを求めすぎたりしたらいかんなぁと思う。
ましてや弱肉強食の自然界に生きる動物なんて私達の可愛いという概念なんて理解してくれないだろうね。知恵を絞りながら自然界で必死生きる彼等に私達人間が出来る事は、異常気象や温暖化で彼らにとって重要な氷を溶かしてしまわないように環境保全に努める事だろうか。シロクマは絶滅が危惧されているらしいし、現在の北極の状態やナヌー達はどうなっているのだろう?
Thousand

Thousand