レオン

冒険者たちのレオンのレビュー・感想・評価

冒険者たち(1967年製作の映画)
4.0
再視聴高評価フランス作品 (★平均3.9  UNEXT見放題)
フランス映画が輝いていた時代の名作。  魅力ある3人が、曲芸飛行、ドラッグカー、廃品アート、宝探し、と生き生きした非日常を少ない台詞で描写し、物語をどんどん進める。

3人が船上ではしゃいでいるシーンは5分近く台詞がない。
途中登場の案内人の過去さえ、説明台詞なしにセピア調のモノ映像で描写している。 そう、状況描写で魅せて、あとは感じて想像してくれと♪

世紀の二枚目 アラン・ドロン。 この作品を初めて見たのはまだ高校生位で、それ以後自分でも正確には分からない位、多くの映画を見たが、この人以上に二枚目と感じる俳優にはお目には掛からなかった。 おそらく永遠のハンサム世界一。

ジョアンナ・シムカス 綺麗なお嬢さんで、まだ洋画を見始めて間もない私はその可憐さに、スクリーンに見入った。

リノ・ヴァンチュラ あくが強く、悪者が似合いそうだが、善人役が多い不思議な魅力のオジサン。

この3人がそれぞの夢破れ、やがて宝探しという冒険に一緒に赴くのだが・・。
まだ若い映画初心者の私は、この作品で生まれて初めて、2~3日引きずるぐらいの、切なくやるせない様な感情をを味わうことに・・。

やたら台詞が多い作品や、考察ありきな作品に飽きた方にオススメ♪
(110分だが、それ以上に短く感じる)

↓  ネタバレ





"登場人物の死" という切ない感情が、3日近く心から消えなかったのだ。 シムカス演じるレティシアが、撃ち合いに巻き込まれ「えっ!」とあっけないくらいに命を落とす・・。 感情移入していた人物の突然の死に当時かなり ショックだった。

その時の記憶ではこのレティシアの死で、作品が終了した様に覚えていたのだが、実際は残った二人のその後がまだ続いた。 彼女の思い出の場所で再会し、そこでマヌー(ドロン)が復習に来た者に撃たれてしまう・・・。

3人のうち、若い二人がなぜ・・・。
恐らくこの追い打ちを掛ける様な、儚いエンディングに、より心が締め付けられ余韻が消えなかったのだろう・・。

今見直すと、まったく凝った脚本でもないが、56年も前に"主人公の死" で、作品に儚い感情を刹那的に加味した功績は大きく、それ以後の作品に大きな影響を与えたと思う。

当然、今作以前にも主要人物の死を描いた作品は存在するが、その人物を魅力的に描いた後に、さり気なく亡くしてしまう描写に、より胸中に刺さり込んでしまう。 

逆に近年作で、終盤に必然的でない主要人物の死を描いた作品は、二千番煎じ(二番でなく♪)と感じ、オリジナルな結末を創作出来なかった二流脚本家の仕事と批判の対象に・・。
レオン

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