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ミラノの奇蹟のkazu1961のレビュー・感想・評価

ミラノの奇蹟(1951年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-115 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋あの『自転車泥棒』を監督したイタリアン・ネオリアリズモの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカが、“ここまで振り切れたのか?!”というくらいファンタジーに振り切った作品です。でも根底には戦後の貧困に対する強烈なメッセージが込められているのはヴィットリオ・デ・シーカならでは!!

🖋脚本もいつものネオレアリズモの名コンビのザヴァッティーニ。とてもファンタジックでメルヘンなんだけどとてもシュールな作品でもあります。前半はとにかく貧困にフォーカスした作品。黒澤明監督の『どですかでん』ばりの作品かと思いきや、後半はもう何が何だか。。。思いっきりファンタジー、ラストにはみんなで空を飛んでしまいますから(笑)!

🖋物語は、キャベツ畑に捨てられたところを老女に救われた男児トトが、明るい青年に成長。亡くなった老女の霊に助けられながら、貧しい住民たちのために活躍する姿を描いた作品です。見どころはこの時代においては、巧妙だっただろうトリッキーな特撮とそれをこのシーンで使うか?!という絶妙な発想と想像力です。もうその部分は圧巻。第4回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞するんですもんね!!

😊Story:(参考: allcinema )
トト(F・ゴリザーノ)は赤ん坊の時、キャベツ畑に捨てられ、ロロッタ婆さんに拾われ、六つになるまで育てられるが、彼女が死んでから成年までは孤児院に暮らした。底抜けに善良な彼はやがてミラノの街に放り出され、知り合った乞食老人の原っぱの掘建て小屋に寄せてもらう。春になり、自分の小屋を作り始めたトトの側に貧しい連中が集まって、一大バラック部落が建設された。その落成式の夜、広場の真ん中から石油が吹き出し、土地の持主は私兵を使って住民の追い立てを図る。その時、天からロロッタ婆の霊が降り、全ての望みを叶える鳩をトトに与え、部落は救われたが、鳩の力を目の当たりにした住民たちは我先に金品を望み、天使に鳩を取り返されてしまう。地主側はこの隙に部落を制圧。トトたちは牢屋馬車に放り込まれるが……。

🔸Database🔸
・邦題 :『ミラノの奇蹟』
・原題 :『Miracolo a Milano』
・製作国 : イタリア
・初公開 : 1951
・日本公開 : 1952/11/01
・上映時間 : 97分
・受賞 : 第4回カンヌ国際映画祭
パルムドール
・監督 : ヴィットリオ・デ・シーカ
・脚本 : チェーザレ・ザヴァッティーニ、ヴィットリオ・デ・シーカ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、マリオ・キアーリ、アドルフォ・フランチ
・原作 : チェーザレ・ザヴァッティーニ
・撮影 : G・R・アルド
・音楽 : アレッサンドロ・チコニーニ
・出演 : フランチェスコ・ゴリザーノ 、パオロ・ストッパ 、エンマ・グラマティカ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「自転車泥棒」のヴィットリオ・デ・シーカが監督した一九五一年度作品で、同年カンヌ国際映画祭においてグランプリを獲得した幻想的風刺劇。従来彼の協力者であったチェザーレ・ザヴァッティーニの原作『善人トト』から、デ・シーカ、ザヴァティニを中心にスーゾ・チェッキ・ダミーコ、マリオ・キアーリ、アドルフォ・フランチが協同でシナリオを書いている。撮影は、「揺れる大地」のG・R・アルド、音楽は「自転車泥棒」のアレッサンドロ・チコニーニの担当である。主演は「ローマの陽の下」のフランチェスコ・ゴリザーノ、舞台女優エンマ・グラマティカの他、ブルネラ・ボーヴォ、パオロ・ストッパ、グリエルモ・バルナーボで、多くは本映画のため特に起用された街の人々である。
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