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ミラノの奇蹟のadeamのレビュー・感想・評価

ミラノの奇蹟(1951年製作の映画)
3.0
カンヌでグランプリを得たデ・シーカの風刺の効いたファンタジー。
孤児として育ち清らかな心を持った青年が貧民街で暮らし始め、その善良さで奇跡を呼び寄せる物語です。
後の作品を観ればデ・シーカがユーモアにも長けた監督であることは明白なのですが、ネオレアリズモ真っ只中の時期にこのトーンの作品を撮っているのは驚きました。
とはいえ、そこに強烈な社会風刺を仕込んでいるのが素晴らしく、特に人間の愚かな欲望が溢れ出す場面はゾッとします。
ドゥオーモの上を飛ぶ拍子抜けのラストはあっけらかんとして良いのですが、もっと毒のある容赦ない結末を見てみたかった気もしました。
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