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宇宙へ。挑戦者たちの栄光と挫折のfujisanのレビュー・感想・評価

3.6
この映画は、アメリカ初の有人宇宙飛行 マーキュリー計画からスペースシャトル計画までを、当時の映像で振り返る歴史ドキュメンタリー。

これを見ると、ライアン・ゴズリング主演の映画「ファースト・マン」がいかにドキュメンタリーに近かったのかがよく分かりました。

映画になかったエピソードとしては、ミッションエンブレムの話が興味深かったです。

通常、打ち上げの度に作成されるエンブレムには、乗り込む宇宙飛行士の名前が書かれていますが、初の月面着陸を目指したニール・アームストロングのアポロ11号のエンブレムには宇宙飛行士の名前は含まれていないそうです。

これは「すべての人の思いを背負って月面着陸に望む」というニール・アームストロングの意向だそうで、いかにも実直で生真面目なニール・アームストロングが言いそうな言葉だなぁと関心しました。

その他、アポロ12号以降の映像も沢山登場します。実際、アポロ17号以降、月面に人間は立てていないわけで、それを考えると、月面走行車が結構なスピードで月面をドライブしている映像は感慨深いものでした。

スペースシャトル計画のチャレンジャー号とコロンビア号の死亡事故については深く考察されていませんが、これはまだ、事故のショックが尾を引いているからですかね。。



ということで、かなり見る人を選ぶ作品ではありますが、私にとってはとても興味深い内容でした。

以下、いつものメモを貼っておきます。
(このドキュメンタリーは、マーキュリー計画~スペースシャトル計画)



------------ アメリカ宇宙開発の歴史メモ

■ マーキュリー計画 1958年 – 1963年
・目的:有人宇宙飛行
・1961 アラン・シェパードが初の有人弾道飛行に成功
・1962 ジョン・グレンが初の地球周回飛行に成功
□ 映画:「ライトスタッフ」「ドリーム」

■ ジェミニ計画 1961年 – 1966年
・目的:有人月面着陸のための技術開発
・1965 エド・ホワイトが初の船外活動に成功
・1965 ジェミニ6号とジェミニ7号が初のランデブーに成功
・1966 ニール・アームストロングが初のドッキングに成功

■ アポロ計画 1961年 - 1972年
・目的:有人月面着陸
・1967 アポロ1号の事故でガス・グリソムが死亡
・1968 アポロ8号が初めて月の周回軌道に到達
・1969 アポロ11号でニール・アームストロングが最初の月面着陸を達成
・1970 アポロ13号が事故を起こすも奇跡的に地球へ生還
□ 映画:「ファースト・マン」「アポロ13」

■ スペースシャトル計画 1981年 - 2011年
・目的:再使用宇宙往還機の開発、宇宙ステーション
・1981 チャレンジャー号打ち上げ成功
・1986 チャレンジャー号の事故で7名の飛行士全員が死亡
・1990 ハッブル望遠鏡打ち上げに成功
・2003 コロンビア号再突入時の事故で7名の飛行士全員が死亡

■ スペースX(イーロン・マスク) 2002年-
・目的:火星への有人宇宙飛行
・2011 有人宇宙飛行船 クルードラゴンがスペースシャトル以来の有人宇宙飛行に成功
・2012 宇宙ステーションISSに民間機として初のドッキングに成功
・2015 ファルコン9ロケットが初の垂直着陸に成功
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